商品レタッチのやり方|EC写真の補正手順・色合わせ・外注判断
最終更新日:2026年8月15日
商品レタッチで大切なのは、写真を派手に変えることではなく、実物の形・色・素材感を保ったまま、購入前に確認したい情報を見やすく整えることです。EC用の商品写真なら、明るさや色の補正だけでなく、ほこり・指紋・背景・影・画像サイズまで、掲載先に合わせて仕上げる必要があります。このページでは、撮影後の確認から書き出しまでを、やり直しが少ない順序で整理します。
商品レタッチは「正確さ」と「見やすさ」を両立させる作業
商品写真の補正では、きれいに見えるだけでは足りません。色や形を変えすぎると、購入者が受け取った実物との違いを感じやすくなります。一方、撮影時の色かぶり、細かなごみ、傾き、暗すぎる影をそのまま残すと、商品の仕様が伝わりません。
最初に決めたいのは「何を事実として残し、何を撮影上の不要物として直すか」です。たとえば素材由来の模様やハンドメイド品の個体差は、安易に消すべきではありません。撮影時に付いたほこりや、背景紙の継ぎ目、カメラの写り込みは補正候補です。境界を先に共有すると、修正回数を抑えられます。
作業前にそろえる3つの基準
| 確認する基準 | 決めておく内容 | 曖昧なまま進めた場合 |
|---|---|---|
| 実物基準 | 色、光沢、傷、模様のどこまでを残すか | 実物と画像の差が大きくなる |
| 掲載先基準 | 背景、縦横比、余白、ファイル形式、画像サイズ | 納品後の再トリミングが増える |
| シリーズ基準 | 明るさ、影の濃さ、商品の大きさ、色温度 | 商品一覧で写真の印象がばらつく |
色が重要な商品は、画像だけで判断せず実物や色見本も確認します。撮影場所と確認環境が違うと、照明やモニターの影響で見え方が変わるためです。色指定がある場合は、品番や基準画像も指示書へ記載すると認識を合わせやすくなります。
商品レタッチの基本手順
1.元画像を選び、補正できる範囲を見極める
ピントが大きく外れている、白飛びで質感が失われている、低解像度で細部が残っていない画像は、レタッチだけで自然に戻せない場合があります。最初に拡大して、ピント、階調、ノイズ、反射、切れた部分を確認します。撮り直した方が早く正確な画像は、この段階で分けます。
2.レンズ補正と傾きを先に整える
色や明るさの前に、レンズのゆがみ、水平・垂直、商品の傾きを整えます。ボトルや箱のように直線が多い商品は、わずかな傾きでも不安定に見えます。ただし、立体感まで消すほど形状を変形させないことが重要です。
3.明るさ、白、黒の順に階調を整える
全体を明るくした後、白い部分の質感が消えていないか、黒い部分が一色につぶれていないかを確認します。商品写真では、単に明るい画像よりも、素材の凹凸や輪郭が読める画像の方が仕様を伝えやすくなります。影はすべて消さず、設置面と立体感が分かる程度に残します。
4.色を実物へ近づける
ホワイトバランスで色かぶりを直し、その後に必要な色だけを調整します。彩度を全体へ一律に加えると、ロゴや肌、金属まで不自然になりやすいため、色域ごとに確認します。カラーバリエーションは1点ずつ明るさと光沢を確認し、色だけを置換したような平面的な見え方を避けます。
5.ほこり、指紋、背景の乱れを取り除く
不要物除去は、商品本体の輪郭を壊さない拡大率で進めます。規則的な柄、刻印、縫い目、金属のエッジは、修復ツールで周囲の模様を複製すると形が崩れやすい部分です。自動処理のあとに等倍表示と一覧表示の両方で確認します。
6.掲載先に合わせて余白とデータをそろえる
最後に、商品が画面内で占める大きさ、背景色、縦横比、ファイル形式、圧縮後の見え方を確認します。スマートフォンでは細部が小さくなるため、一覧用と詳細用でトリミングを分ける方法もあります。元データは上書きせず、用途別の書き出しデータと分けて保管します。
よくある失敗と直し方
| 見え方 | 主な原因 | 確認する順番 |
|---|---|---|
| 白い商品が灰色に見える | 露出不足、背景と商品の明度差不足 | 露出、白レベル、背景を個別に確認 |
| 金属が平らに見える | ハイライトを均一にしすぎている | 明暗の帯と輪郭の反射を残す |
| 色が派手すぎる | 全体彩度の上げすぎ | 実物、基準画像、色域別調整を比較 |
| 切り抜きが不自然 | 輪郭が硬い、影の方向が合わない | 髪・透明素材・接地影を拡大確認 |
| 一覧でばらつく | 商品サイズ、余白、影の濃さが不統一 | 単体ではなく商品一覧で比較 |
自分で直す範囲と外注する範囲の決め方
明るさ、トリミング、簡単なごみ取りは、基準を作れば社内でも進めやすい作業です。透明・半透明素材、鏡面金属、複雑な切り抜き、複数画像の合成、色の厳密な統一は、作業時間と確認工数が増えます。点数、納期、求める精度を並べ、内製に必要な時間と外注費を比較してください。
外注時は「きれいにしてください」だけでなく、使用媒体、希望サイズ、残す傷と消す傷、背景、影、色基準、納品形式を伝えます。アクセサリー特有の写り込みや細部の処理は、アクセサリー撮影・レタッチの工程で詳しく確認できます。一般写真を自分で補正する場合は、写真レタッチの初心者向け手順を参照してください。
納品前チェック
等倍でのごみ・輪郭確認、一覧表示での統一感、スマートフォンでの読みやすさ、ファイル名、画像サイズ、色空間、元データの保存を確認します。担当者が変わっても同じ判断ができるよう、代表画像と修正ルールを残すと、次回以降の品質をそろえやすくなります。



