商品撮影のやり方完全ガイド|ECで伝わる写真の準備・撮り方・外注のコツ
商品撮影で難しいのは、きれいに撮ることよりも「購入前に知りたい情報を、写真だけで不足なく伝えること」です。明るく撮れていても、サイズ感が分からない、素材の質感が違って見える、付属品が写っていない――そんな小さな不足が、購入の迷いや返品につながります。
この記事では、EC担当者や小規模ショップの方が撮影前に決めること、自社で撮る場合の手順、商品別の注意点、外注時の伝え方まで、実務で使える順番に整理します。
先に確認したい5項目
- 写真を掲載する場所(自社EC、Amazon、楽天市場、広告、SNS)
- 商品の正確な色・形・サイズが分かるカット
- 使用方法や使用時の大きさが分かるカット
- 購入者が不安に思いそうな箇所のアップ
- 画像サイズ、背景、納品形式など掲載先の条件
商品撮影は「何を伝えるか」から逆算する
撮影を始める前に、商品の特徴を三つに分けてメモしてみてください。
- 事実:大きさ、色、素材、形、付属品
- 使い方:持ち方、着用方法、設置場所、操作手順
- 選ばれる理由:軽さ、収納力、仕上げの丁寧さ、独自機能
たとえば財布なら、正面写真だけでは不十分です。厚み、開いた状態、カード収納、小銭入れ、手に持ったサイズ感まで見せると、購入者は自分の使い方と照らし合わせられます。「この商品のどこで迷うか」を想像すると、必要なカットが決めやすくなります。
ECの商品ページに用意したい基本カット
- 商品全体:形と色が一目で分かる正面または斜め45度
- 別角度:背面、側面、底面など、正面では見えない部分
- ディテール:素材、縫製、金具、操作部など購入理由になる箇所
- サイズ比較:手に持つ、着用する、身近な物と並べる
- 使用シーン:実際の利用環境で、使い方や完成形を伝える
- 付属品・パッケージ:届くものをすべて並べ、購入後の誤解を防ぐ
1枚目は一覧画面でも判別できるシンプルな写真、2枚目以降は疑問を順番に解消する写真、と役割を分けるのが基本です。すべての写真を同じ雰囲気にするより、「比較用」「説明用」「イメージ用」と目的を決めたほうが伝わります。
自社で商品を撮るときの基本手順
1. 撮影前に商品を整える
ホコリ、指紋、糸くず、折れ、ラベルの傾きは、撮影後の修正より撮影前に直すほうが早く自然です。光沢品は特に汚れが目立つので、手袋やブロアー、柔らかいクロスを用意します。複数商品を撮る場合は、撮影済み・未撮影が分かるように商品コードとカット表を一緒に管理します。
2. カメラを固定する
スマートフォンでも撮影できますが、手持ちのまま角度を変えると写真ごとの大きさや傾きがばらつきます。三脚を使い、カメラの高さと商品の位置に印を付けてください。デジタルズームは画質が落ちるため、必要ならカメラ自体を近づけます。
3. 光を大きく、やわらかくする
小さく強い光を直接当てると、影が硬くなり、金属や樹脂に照明がそのまま映り込みます。窓からの光をレースカーテン越しに使うか、ライトと商品の間にディフューザーを置きます。反対側に白いボードを立てると、暗部を自然に起こせます。
4. 色を固定する
撮影途中で自然光と室内灯が混ざると、同じ商品でも写真ごとに色が変わります。光源をそろえ、カメラのホワイトバランスを固定します。色が購入判断に直結する商品では、グレーカードやカラーチャートを最初に撮っておくと補正の基準になります。
5. 大きな画面で確認する
スマートフォンの画面だけでは、ピントの甘さやホコリを見落としがちです。撮影中にパソコンやタブレットへ表示し、輪郭、色、反射、傾きを確認します。全部撮り終えてから不備に気づくと、商品の再準備や再発送が必要になります。
商品別に変えるべき撮り方
光沢のある金属・ジュエリー
商品に映るのはカメラではなく、周囲の部屋全体です。白黒のボードや大きな拡散材で映り込みを整え、輪郭が消えないように暗い線を少し残します。傷を全部消すのではなく、現物の状態を誤認させない範囲でホコリや一時的な汚れを整えることが大切です。
バッグ・アパレル
形を整える詰め物、左右のバランス、持ち手の向きをそろえます。平置きだけでなく、着用写真や手に持った写真を加えるとサイズ感が伝わります。生地の厚みや透け感は、アップと逆光気味の写真を使い分けます。
食品・飲料
パッケージだけでなく、開封後の中身、1回分の量、盛り付け例を見せます。温かい料理は湯気や照りが短時間で変わるため、器と構図を先に決めてから商品を置きます。実物以上に彩度を上げると、届いたときの印象差が大きくなるので注意が必要です。
家電・日用品
大きさ、操作部、接続端子、収納時の形を優先します。機能を説明する写真には短い文字や矢印を加えても構いませんが、1枚に情報を詰め込みすぎないようにします。使用手順が複数ある場合は、静止画に加えて短い商品動画も有効です。
よくある失敗と直し方
- 白背景で輪郭が消える:露出を上げすぎず、商品側の明るさと背景の白さを別々に調整する
- 商品がゆがむ:広角で近づきすぎず、少し離れて撮影して必要範囲を切り出す
- 色が合わない:異なる光源を混ぜず、基準となる色見本を一緒に撮る
- 写真ごとに大きさが違う:三脚と位置決めの印を使い、同一カテゴリは同じ構図で撮る
- 雰囲気は良いが情報がない:イメージ写真とは別に、形・サイズ・付属品を説明する写真を用意する
AI背景や合成画像を使うときの注意点
背景生成は撮影場所を増やさずに世界観を作れる一方、商品の形、ロゴ、文字、反射まで変えてしまうことがあります。商品自体は実写を基準にし、合成後に輪郭、影の方向、接地感、サイズの整合性を確認してください。商品説明の中心画像には正確な実写を置き、演出画像は用途を分けると安心です。
撮影を外注するときに渡す指示
長い企画書は必要ありません。最低限、次の内容があれば見積もりと撮影の行き違いを減らせます。
- 商品名、商品数、色・サイズのバリエーション
- 掲載先と必要な画像サイズ
- 必要カットを「正面・背面・使用例」のように具体化した一覧
- 好きな写真だけでなく、避けたい写真の例
- 色や形で絶対に変えてはいけない箇所
- 納期、画像形式、切り抜きやレタッチの範囲
撮影内容が決め切れない場合は、販売ページのURLと商品の現物を見せて相談する方法もあります。撮影指示書を作る時間がない方は、必要カットの提案を含むサービスを選ぶと進めやすくなります。
商品撮影に関するよくある質問
スマートフォンでも商品撮影はできますか?
白背景の小物など、用途が限定されていれば可能です。三脚、やわらかい光、露出とホワイトバランスの固定を優先してください。高倍率の拡大、厳密な色再現、大量商品の統一撮影では、カメラと撮影環境の差が出やすくなります。
白背景とイメージ写真はどちらを先に撮るべきですか?
まず商品情報を正確に残せる白背景・単色背景を撮り、その後に小物や背景を加えます。基本写真があれば、モール、自社EC、カタログなど複数の用途へ展開しやすくなります。
何カット用意すればよいですか?
一律の正解はありません。購入者が抱く疑問の数を基準に考えます。形、裏側、サイズ、使用方法、付属品について疑問が残らない構成を作り、似た写真は減らします。
撮影内容から相談したい方へ
バーチャルフォトでは、白背景の商品写真、モデル着用、イメージカット、レタッチまで用途に合わせてご提案しています。商品を送る前に、必要カットや掲載先の条件から相談できます。


